セビーチェは南米の料理です。松本の一軒家レストランで出すには少し遠い料理に見えるかもしれません。でも、信州サーモンという食材と向き合ったとき、加熱よりもマリネの方が素直だと感じました。その理由を少し書いておきます。
信州サーモンとはどんな魚か ¶
信州サーモンは長野県が開発した養殖魚で、ニジマスとブラウントラウトを掛け合わせたものです。川魚特有の臭みが少なく、身が締まっています。Dapple Moor Havenでは松本市内の清水水産から仕入れています。清水さんは水温管理にこだわっていて、夏でも水温を一定に保つことで身の質を安定させています。
なぜ夏にセビーチェなのか ¶
夏の松本は昼間の気温が30度を超えることがあります。そういう日に温かい魚料理を前菜として出すと、食事の入り口が重くなります。冷たい状態で出せる料理として、マリネやセビーチェは理にかなっています。レモンとライムの酸で軽くタンパク質を変性させることで、加熱せずに食べやすい状態にします。
きゅうりのウォーターについて ¶
付け合わせのきゅうりのウォーターは、きゅうりを低速ジューサーにかけて出た透明な液体です。きゅうりの青い香りと水分だけが残ります。これをセビーチェの下に少し張ることで、食べながら味が変化します。最初はサーモンの酸味、後半はきゅうりの清涼感。夏の前菜として、この組み合わせが今のところ一番しっくりきています。
仕入れのタイミングと鮮度の関係 ¶
清水水産からは週に2〜3回、注文した翌朝に届きます。届いた日の昼のコースに使い、残った場合は翌日のランチまでに使い切ります。セビーチェは鮮度が直接味に出る料理なので、仕入れのタイミングを守ることが一番大事な工程です。冷蔵庫に2日以上置いたものは出しません。
信州サーモンのセビーチェは、今週の黒板に載っている間だけ食べられます。清水水産の入荷状況によって週によって出ないこともあります。最新の情報はInstagramでご確認ください。